歯周病が引き起こす全身疾患とその予防法
2023/10/27
歯周病は、口の中の細菌が歯肉や歯周ポケットに蓄積し、炎症を引き起こす病気です。この炎症は、口腔内だけでなく全身へと影響を与えることがあります。実際、歯周病にはさまざまな全身疾患が関連付けられています。本稿では、歯周病が引き起こす主な全身疾患とその予防法について説明します。
目次
歯周病とは
歯周病とは、歯茎周囲の組織に炎症が起こり、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。歯磨きが不十分なために、細菌プラークが付着してしまい、そのプラークに反応して歯茎が腫れたり、出血したりすることが原因です。初期の段階では痛みや不快感がないため、気がついた時には進行していることが多く、放置すると歯が抜け落ちてしまうこともあります。予防法として、日々の歯磨きが大切です。毎日磨くことで、プラークを取り除くことができ、病気を予防することができます。また、歯科医師のチェックを定期的に受けることで、早期発見・早期治療で歯を救うことができます。歯周病にかかった場合は、歯科医師に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
歯周病が引き起こす全身疾患
歯周病は、口腔内に細菌が繁殖し、歯茎の腫れや出血、歯周ポケットの深さなどを引き起こす疾患です。しかし、歯周病は口腔内だけでなく全身に悪影響を及ぼすことが知られています。例えば、心血管疾患や糖尿病、関節リウマチ、認知症などとの関連性が指摘されています。歯周病原菌が血流に乗って全身に運ばれることで、炎症や免疫系の異常を引き起こし、それが全身疾患を招く可能性があるとされています。歯周病が重度になると、口腔内には数百種類以上もの細菌が存在するため、十分な治療を受け、予防することが重要です。歯石除去やブラッシング、定期検診、歯科医師の指導などをしっかり実践しましょう。健康な口腔は、健康な身体を保つために欠かせないものです。
心疾患との関係
歯科医療分野では、心疾患との関係をよく把握することが重要です。心臓病や高血圧を患っている人は、歯肉病や歯周病などの口腔疾患に罹りやすく、歯周病は心疾患の発症リスクを高めることがわかっています。歯周病の炎症が全身の炎症を増進させ、動脈硬化を引き起こす可能性があるため、口腔ケアは心疾患予防につながることも示されています。口内からの菌が心臓弁の病気を引き起こすこともあり、歯周ポケット内に蓄積した菌はその可能性があるため、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを行うことが大切です。歯科医療分野でも患者さんの全身の健康面を考慮し、適切な診療を行っていることが現状です。
糖尿病との関係
歯医者の立場から考えると、糖尿病との関係は非常に重要な問題です。糖尿病は血糖値が高くなる病気で、長期間にわたって高血糖状態が続くことで、多くの悪影響を及ぼします。その一つが、口腔内の病気や歯周病などのリスクが高まることです。なぜなら、糖尿病患者は免疫力が低下して、口内環境のバランスが崩れることがあるため、歯周病菌などに対する抵抗力が低下するからです。そのため、糖尿病と診断された方は、歯科医師や歯科衛生士による口腔内の定期的な検査やケアが必要です。また、糖尿病患者の食事指導や運動指導も行っている歯科医療施設もありますので、糖尿病患者の方は、歯科医療施設での受診を積極的に行うことが大切です。歯周病などの病気は放置すると、全身に悪影響を及ぼすことがありますので、早期発見・治療が必要です。
歯周病予防のためにできること
歯周病は、歯肉の炎症から始まり、歯を支える骨まで影響を及ぼす重大な疾患です。予防法を正しく実践することで、歯周病を予防することができます。 まず、適切な歯磨きが必要です。歯ブラシで歯と歯茎を優しく磨き、歯石を取り除くことが大切です。また、フロスや歯間ブラシを使い、歯の隙間にたまった食べ物や細菌を取り除くことも重要です。 お口の中の健康を保つためには、定期的な歯科検診も必要です。歯医者が口腔内を詳しくチェックして、早期発見・治療することができます。また、歯科医師が行うプロフェッショナルな歯石の除去によって、歯周病予防にもつながります。 食生活も歯周病の予防には欠かせません。バランスの良い食事を心がけ、甘いものや粘っこいもの、酸味の強い飲み物や炭酸飲料の過剰な摂取は控えましょう。栄養バランスのとれた食生活を心がけることが大切です。 以上のような予防方法を励行し、定期的な歯科検診を受けることで、健康なお口と歯周病の予防につながります。日常生活の中で、予防意識を高め健康なお口を維持しましょう。